干し芋の作り方を干し芋農家が公開


ほしいも農家の一年間 

ほしいもが出来るまで

 

それでは【干し芋屋たかお】の干し芋作りをご紹介します。

自家製堆肥作り

3月。干し芋作りは、干し芋販売が終わってすぐに始まります。

美味しい干し芋を作る為の第一歩が、畑作り・苗床作りに使う自家製の堆肥作りです。

 

藁と松葉を混ぜて一年間寝かせて堆肥を作ります。ちなみに堆肥(たいひ)とは、有機物を微生物によって完全に分解した肥料のことをいいます。

 

「堆肥は土づくりの基本」「じゅうぶん堆肥を入れた畑は健康になる」と言われ、堆肥は土づくりには欠かせない資材になっており、「土づくり=堆肥」になっています。堆肥は土壌の万能薬のような働きをします。

 

良い堆肥を作ることが美味しい干し芋が出来る基本となっています。

 

さつまいもの畑作り

美味しい干し芋を作る為に重要な畑作りは3月〜5月にかけて行います。

 

畑が農作物がよくできる肥えた土になるまでは、けっして作付けをしないのです。

どんなに時間が掛かっても土壌を豊かにしてからサツマイモを作ります。

 

一年間寝かせて出来た自家製の堆肥を畑に入れます。

芋掘を終える時期10月頃から麦を畑で育てて土壌を改良します。

 

そして、干し芋販売が終える時期3月頃に、まずは土に堆肥を与え、トラクターで育てた麦と土を粉々に砕いて畑ならしをします。

 

畑ならしは、苗を植えるまでの間に数回行います。十分に手間をかけてふわふわの畑が出来上がります。

苗床・芋苗づくり

例年3月末~4月初旬は苗床、芋苗作りを行います。

苗床とは種をまいて苗をはえさせ育てる所

 

まずは、苗床になる土を細かく柔らかくする為に小型のトラクターで混ぜます。

 

土を平らに整えたら、板木と竹で木枠を作ります。

そして、ハウスにビニールを貼り準備完了です。

 

昔ながらの方法で保管していた種芋を、ハウスの中に1つ1つ並べ、自家製の堆肥を上にかぶせて、最後に全体にお水をかけ、30℃前後に保ったハウスで発芽させます。

 

発芽するまでは毎朝お水をあげ見守ります。

 

さつまいもの苗植え

5月頃、葉の数が6〜8枚になったところを見計らって、苗を切り取ります。

 

まず、サツマイモの苗を植えるためのかまぼこ型の畝を作っていきます。

そうしていよいよ、苗を畑の畝に植え付けます。

 

干し芋屋たかおでは、機械を使わずに、一本一本手作業で植えます。5月に苗を植えてから10月の芋掘りまで、毎日のように畑に行きさつまいもの成長を見守ります。

見守り育てる

夏の間は、子どもの成長を手助けしながら見守るように、収穫までお芋の成長をサポートします。

 

草取りや雑草を除草したり、必要があれば防虫作業をしたりを10月の芋掘りまで続けます。

 

この作業を手を抜かずに根気よく続けることが、健康で立派なさつまいもを作る為にとっても大切です。

 

 

芋掘り

例年10月から11月にかけて収穫時期を迎えます。

ひたちなか地域のたくさんの干し芋農家が一斉に芋掘りを行う光景はこの地域ならではの風物詩でもあります。

 

サツマイモは、デリケートな食物です。表面に傷がついたりするとそこから雑菌が入り腐敗や味・成分の変化につながるので丁寧に扱わなければなりません。

 

そこで、干し芋屋たかおでは、サツマイモの収穫を手作業で行います。

大型機械は使わずに、お芋の下のほうをそっと小型のトラクターで掘り起こし、そしてサツマイモが痛まないように一つ一つ手作業で紙袋に拾い集めます。

 

ちなみにひたちなか地域で多く作られている干し芋の原料品種の一つ 玉豊種 は、色が白いお芋なので、驚かれることもあります。

収穫したさつまいもを低温保管

干し芋屋たかおでは、サツマイモを収穫してすぐに干し芋作りをすることはありません。

収穫してすぐのサツマイモで干し芋を作ると甘みが少なくパサパサした食感の干し芋になってしまいます。

 

そこで重要なのが「熟成」。

収穫したサツマイモは、氷点下の寒い環境に放置してしまうと一晩で腐ってしまいます。それを防止するために貯蔵ハウスに運びます。

 

貯蔵ハウス内はサツマイモの貯蔵に適した温度を保つために気温や湿度に合わせてハウスの開け閉めをしたり、毛布や藁で囲ったりして昔ながらの方法で管理しています。

 

少なくとも1ヶ月以上の熟成期間を経て、たっぷりおいしさを蓄えてもらいます。

 

適した温度を保つことで、でんぷん質がショ糖に変わり、独特の食感を引き出し、甘みが増します。

 

貯蔵ハウス内で充分に糖化させた後、干し芋に加工します。

干し芋作りの下準備

10月末、冬の訪れと共に干し芋作りが始まります。

 

その前に、干し芋作りの下準備は沢山あります。

まず、干し芋を天日干しをするハウスのビニールを手作業で貼ります。

鳥から大切な干し芋を守ります。

 

次に、干し台作り。杭を一本一本ハンマーで打ち込んで鉄管を取り付けて作ります。

 

そして、干し場の中や周りに麦の種と藁を播き、風が強い日の土埃対策をします。

 

干し芋屋たかおでは、昔ながらの方法と知恵を大切に受け継いでいます。

 

他にも、干し芋作りに使う道具や物を準備したり、干し芋作り開始に向けて様々な準備を整えます。

さつまいも洗い・サツマイモのサイズによる選別

11月中旬、熟成を終えたら、やっと干し芋作りがスタートです。

まず初めに行うのが【 選別→洗い→選別 】です。

 

熟成させていたさつまいもを貯蔵ハウスから運び、一袋ずつさつまいもを洗う機械に流します。

 

水だけでよく洗浄して、土などを綺麗に取り除きます。

 

その時に平干し芋にするには小さ過ぎるお芋や、割れているお芋などを手作業で1つ1つ取り除きながらさつまいもを洗う機械に流します。

 

ちなみに、一袋30kgくらいあるので一袋ずつ持ち上げる作業は結構な重労働です。

 

さつまいもを洗いながら特大・大・中・小に分けます。さつまいもを蒸かす時にムラができないように選別します。

理由は、さつまいもの大きさによって蒸かす時間が違うからです。

 

さつまいもを蒸かす

よく洗い綺麗になって大きさ別に分けられたお芋を専用の蒸かし機【ボイラー】の中で、蒸かしていきます。 

 

蒸かしたお芋はすぐに皮を剥かないと綺麗に剥けないので1日に数回に分け【蒸かす】と【皮むき】を繰り返します。

 

また、大きさによって蒸かす時間が違うので(約1時間~2時間以上)、一回目、二回目と小さいお芋や大きいお芋を上手に組み合わせて蒸かし機にセットします。

 

しっかり蒸かすことは、甘くて美味しい干し芋を作るのにとても重要な工程です。50年以上干し芋農家として培った経験、ノウハウをもとにさつまいもの状態や種類、大きさに合わせて蒸し加減を判断し調節します。

 

そして、ポイントは、弱い圧力でじっくりゆっくり蒸かすこと。

強い圧力で短時間で蒸かすと、芯まで蒸かしきれなかったり、「シロタ」という状態になってしまう確率が高くなるのです。

 

また、「シロタ」ができる原因として蒸かす時間だけでなく元々のお芋の水分値の影響でできるとも言われています。

さつまいもの皮剥き

さつまいも 皮むき

皮剥きは、蒸かしあがった熱々のサツマイモを冷めないうちに一本一本手作業で行います。


ふかして柔らかくなったサツマイモを扱うのはとても難しく、ひとつひとつ大きさや硬さの違いがあるため、機械ではこなせません。


熟練した干しいも職人の手によって丁寧に作業が行われる干し芋作りの中でも最も手間と時間のかかる工程です。


 

そして、この皮むき工程の際に綺麗に皮をむく事は、色が綺麗な干し芋を作るのにとても重要な工程です。

 

得に、紅はるかのさつまいもは、皮とお芋の間にある成分が時間が経つと黒っぽく色が出てしまうので、黄金色の干し芋を作る為に他の品種のお芋より約2倍の時間をかけて丁寧に皮むきを行います。

 

ですから、一日に作れる干し芋の数も他の品種と比べると約半分になってしまうので、どうしても価格が高めになってしまいます。

ですが、黄金色の美しい見た目と、極上の甘みは、名前の通り「はるか」に優れています

 

 

皮むきを終えたお芋のスライス

皮むきを終えたお芋は、幅約1cm間隔でピアノ線をピンと張った専用の裁断機で手作業でスライスしていきます。

 

芋の厚さの微妙な違いによって干し芋の出来が大きく左右されます。

芋を厚くスライスしすぎると乾きが悪くなり、干し芋を食べるときの食べやすさにも差が出ます。

 

芋のスライスの幅は干し芋農家によって微妙にちがいます。

どのスライスの幅がいいのか試行錯誤して今の間隔になりました。

 

形を崩さないように、お芋の形や、状態に合わせて一つ一つスライスしていきます。縦方向に優しくすーっと押し込むのがポイントです。

 

サツマイモには食物繊維がたっぷり含まれているので、繊維に逆らってスライスすると形が無残なほどに崩れてしまいます。

 

綺麗な形の干し芋を作るのにとても重要な工程です。

簡単そうに見えて非常に技術が必要な熟練の技なのです。

 

これらの工程を経て、最後に干すことによって甘みと栄養価を凝縮させたほしいもは、品種による味の違いだけでなく、乾燥具合や干し方、切り方によって、また違った風味を持ちます。

スライスしたお芋を並べる

スライスを終えた芋はすぐに木枠で作られたセイロと呼ばれる枠にセットされた専用の簾(すだれ)の上に一枚ずつ丁寧に並べていきます。

 

じっくりと蒸かし柔らかくなっているお芋たちは、形が崩れやすいので、かなり神経を使う工程です。

 

ここでも長年の経験と知恵を生かして、お芋の形や柔らかさを見極めながら力加減や剝がす向きをお芋ごとに変えて一枚一枚丁寧に並べます。

 

そして、こちらも形の良い干し芋を作るのに重要な工程です。

 

干し芋の天日干し

干し芋 

いよいよ、天日干しの始まりです。

 

お芋が並べられたセイロを手作りの干し台に一枚一枚並べて天日干しにします。

 冷たく乾いた潮風が芋の甘さを引き出します。

 

天候等にもよりますが、平切りタイプの干し芋約1週間以上丸干し芋2週間以上かけて干しあげます。

日中10℃以下の天気のよい天候が続くと干し芋が順調に出来上がります。

 

機械乾燥だと2日程度で干し芋が出来上がるそうですが、

 干し芋屋たかおでは、干し芋作りに妥協をせず、完全に天日干しにこだわり作っています!

 

理由は天日干しは機械乾燥より時間と手間はかかりますが、この恵まれた自然環境を大事にして太陽自然の潮風を浴びて乾燥させた干し芋はゆっくりと水分が抜けて断然甘く美味しく仕上がるためです

 

また、阿字ヶ浦近辺は、地形や土壌、気候的条件等の自然条件に特に恵まれ、太平洋からくる潮風によって甘み風味が良くなると言われていて特においしいほしいもができると地元でも有名です。

 

 

さらに、ただ干しておくだけでなく、天気予報と毎日にらめっこし、雨が降る時や、風が強い日は軒下に移したり、全体が満遍なく乾燥するよう丁寧に一枚一枚ひっくり返したり、最後までやれることをやり尽くします

 

干し芋屋たかおの干し芋には、こうした私たち生産者だからこその愛情も込められています。

 

干し芋のできあがり

干し芋 丸干し芋

最終工程【選別】して【箱詰め】

 

太平洋からの潮風と冬の日差しを受けて、ようやく干し芋が仕上がります。無事に乾いた干し芋を1枚1枚網から剥がして『特選品』『B級品』『シロタ』『切甲』に分けていきます。

 

それをご注文に合わせて箱詰めをして完成です。

ここまで無事に終わるととてもホッとします。

 

干し芋屋たかおでは、乾燥機、冷蔵庫、冷凍庫も使わない昔ながらの工程で出荷まで行っているため、どうしても天気の影響を受けてしまうので、毎日天気予報とにらっめこしながら最後の最後まで手間ひま掛けて無事に干し芋が出来あがる時は一年間の労力が報われる時です。

 

 

良質なサツマイモを育てるこの土地ならではの水はけの良い砂地を含んだ土壌、そして美味しい干し芋を作る冬に晴天が続く気候と、太平洋からの海風。

 

干し芋屋たかおの干し芋作りは、昔ながらのシンプルな作り方を大事にしてます。

ほしいも作りに恵まれた自然環境を活かし、太陽と潮風と人の手で丁寧に作る干し芋は、時間も手間もかかりますが、自然の力と生産者の想いが詰まった干し芋はサツマイモだけが原料とは思えないほどの美味しさがあります。

 

自然の力と、昔ながらのこだわりの作り方長年の経験を活かした干し芋職人の技根気で作り上げる。

それが私たち【干し芋屋たかお】の干し芋です。